【TKAに対するCPM の有用性】効果、支持、反対文献
【TKAに対するCPM の有用性】
(Continuous Passive Motion)
患者さんに対し CPM を行うことは病棟ではよくあることです。
手術をされた方は術後早期より毎日CPMは行われます。
その際 実施することによって怖いや痛いという患者さんも多くいらっしゃいます
毎日少しずつCPMの角度を上げていくため日々の負担は相当なものでしょう。
今回はCOMを取り上げられた文献を紹介していきたいと思います。
CPM効果
徒手的療法に比べ持続的他動運動が出来、
防御的収縮を発生しにくく、
持続的な関節運動による関節包や軟部組織の癒着防止ができる
と言われています。
支持する文献
市橋は ROM 制限因子を 8 種類に 分けているが,正確な gap technique が行われた TKA では関節包内の問題は小さくなり,心因性を含めた筋性防御収縮など関節包外組織の問題が大きくなると考えられる。
2015年日本理学療法士学会
TKA 後の患者に対して CPM を施行することで,術後の膝関節屈曲角度の回復を促進させる可能性を示唆してい る。また,疼痛や腫脹は CPM 施行群と非施行群とでは変わりがないことから,膝関節の自動運動が困難な術後早期においても, 炎症の増強を誘発せずに関節運動を実施することができることを意味している。
2014年日本理学療法士学会
反対する文献
CPMは、受動的膝屈曲および受動的または能動的膝伸展を有意に改善しなかった。
PTと組み合わせたCPMは、人工膝関節全置換術後の短期間のリハビリテーションにおいて、PT単独と比較して有益な結果を提供する可能性がある。2003年
膝伸展時の アクティブROM、時限「Up&Go」テストの結果、Western OntarioおよびMcMaster Universities Osteoarthritis Indexのアンケートスコア、および滞在期間が二次的な結果で有意差が認められなかった。CPM適用の追加を支持していない。カナダケベック州2006年
継続的受動運動(CPM)は、人工膝関節全置換術(TKA)後の即時機能回復には何の利益も与えず、術後膝関節腫脹はより長く持続した、
インドのムンバイにあるLilavati病院およびリサーチセンターの整形外科で84人に対する実施。有意差なし。2012年
CPMはTKAから回復した患者に何の利益も与えなかった。アメリカ2014年
CPMはTKA後の即時の機能回復において何の利益も与えず、そして実際に、術後の膝の腫脹はより長く持続したと結論した。2012年
TKA後に適用されるCPMプロトコルは入院期間を短縮するかもしれませんが、CPMアプリケーションは膝の屈曲ならびに臨床的および機能的な結果に関して標準的な理学療法を超える追加の短期および長期の利益を提供しません。
トルコ、コンヤのバシケント大学医学部整形外科および外傷学科2009年
まとめ
様々な文献を調べている中で日本のリハビリではCPMは有用とされていて、海外のリハビリではあまり効果は感じられないという見解の印象を受けました。
CPM自体も進化していますし、日々TKAの手術も変わってきています。
過去と比べることは純粋には難しいですが、
日常を鵜呑みにせず、批判的な見方をすることも重要であると考えています。
参考までにどうぞ。