【心臓と腎臓の深い関係】「心腎連関症候群」
「心腎連関症候群」
— ハムたろ@高速回転中 (@tkokkc1010g) March 1, 2019
心臓と腎臓には深い関係性
心臓の治療として利尿薬を用いるが
利尿薬は腎臓には悪影響の場合が。
臨床症状としては、負荷量増大による浮腫が。
深いな。
心臓と腎臓の関係を簡単にまとめて見ました。
敗血症は、体のどこかで細菌感染症が起きたとき(例えば肺炎など)、
細菌が血液中に入って増殖し、毒素を作るので身体のさまざまな臓器の活動が維持できなくなった状態です。
糖尿病、血管炎、敗血症など全身に影響する病気にかかると、
心臓と腎臓の機能が同時に低下することもめずらしくありません。
心臓と腎臓の間に深い関係がある状態を「心腎連関症候群」呼びます。
「心腎連関症候群」
心臓と腎臓の関係を示す例として、
心不全の患者さん3人のうち1人に中等度以上の腎機能の低下が起こることが知られています。
心臓と腎臓に深い関係があるのはなぜか?
・神経やホルモンの変化(左心室の機能低下に伴い生じる)
・腎血流量の低下(心臓の拍出量低下に伴い生じる)
・腎静脈圧の上昇(右心室の機能低下に伴い生じる)
より引用
神経やホルモンの変化
心臓の病気で急に心臓の働きが弱まった場合、体には生命を維持するため、
脳や心臓といった重要な臓器の血流量を保とうと支援する「バックアップ機構」が作動します。
神経とホルモン、
主に
「交感神経系」
「レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系」
「バゾプレッシン系」
の三つで構成されています。
これらのバックアップ機構は、心臓の病気が起きたときに血圧維持、心臓の収縮力を高める、心拍数を増やすことなどを通じ生命を維持するために、極めて重要な役割を果たしています。
しかし、時間が経過するとともに、バックアップ機構の働きで逆に心臓の負担が増え、腎臓などの血流が低下し、長期的には寿命を縮める結果になることが知られています。
バックアップ機構を抑える薬は?
そこで、バックアップ機構の働きを抑える治療をすれば、長期的には寿命が延びるのではと考えられてきました。
現に、左心室の収縮能力が低下した心不全の患者さんにバックアップ機構の働きを抑える治療薬を投与すると、心不全の進行が抑えられ、寿命が延びることが明らかになっています。
腎血流量の低下
「心臓の拍出量低下に伴い生じる腎血流量の低下」
左心室の収縮能力が急に落ちると、心臓から全身に送られる血流量も減ってきます。
この血流量の低下が腎臓の血流量低下の最も大きな原因となります。
しかし、治療によって左心室の収縮能力がよくなっても腎機能が改善するとは限らず、腎血流量低下以外の要因も腎機能の低下に関係すると考えられています。
特に血圧が低くなると腎血流量とは無関係に腎機能が低下することが知られています。
腎静脈圧の上昇
「右心室の機能低下に伴い生じる腎静脈圧の上昇」
最近の研究で、大静脈や腎静脈の圧が高くなると腎機能が落ちることがわかってきました。
心臓の病気で全身から血液が戻ってくる右心室の機能が低下すると、全身の静脈に血液が停滞して足がむくんだり、腹水がたまり腹満感症状を伴ったりすることが少なくありません。
こうした場合、腎機能の低下が起こる危険性が高まっていると言えます。
なぜ心臓と腎臓の深い関係が注目されるのか
急性心不全になると体液(血液、リンパ液など体内を満たす液体)が滞留しやすくなるので、体液量を適切にコントロールするため利尿薬が投与されます。
この利尿薬による体液量コントロール中に血清クレアチニン値が上昇する、
つまり急性腎障害が起こることが少なくありません。
利尿薬を投与すべきか控えるべきか?
そこで、急性腎障害を合併した場合、体液コントロールを優先して積極的に利尿薬を投与すべきか、腎障害抑制を優先して利尿薬投与を控えるべきかが問題になります。
このことを調査した研究によると、たとえ急性腎障害が起きたとしても体液のコントロールを十分にしておれば死亡リスクが下がることが明らかになりました。
つまり、急性心不全治療中の急性腎障害の発症がすべて危険なわけではなく、体液のコントロールを優先させることが大切なのです。
利尿薬の投与で血管内の血液量が減少すると、心拍出量が減少する場合があります。このとき、腎臓の血流量も減るので腎機能が低下することになります。
一方、利尿薬によって体液量が減った結果、腎臓のうっ血状態が解消され、腎静脈圧が下がれば腎機能が改善することがあります。
つまり利尿薬による治療は腎機能の低下と改善の相反する結果をもたらす可能性があります
まとめ
いかがでしたでしょうか?
腎臓と心臓には深い関係があります
高齢であればあるほど全身の機能は落ちています
そのため心臓が悪くて入院された場合腎臓も良くない場合も多いのです
このような知識を踏まえた上で、臨床に出られてはいかがでしょうか?
心臓や腎臓について参考になると思います。