高カリウム血症:尿量・腎機能チェック
高カリウム血症とは
カリウムは細胞膜電位を決定する上で最も重要な因子です。
高カリウム血症では
細胞膜の興奮性の異常により筋力低下、弛緩性麻痺を始め、
致死性不整脈を呈するため十分に注意が必要です。
血液検査で、血清カリウム濃度>5.0mEq/Lの時診断されます。
診断後、心電図などから致死的な状態か判断します。
致死的でない場合、尿量・腎機能(血清Cr、GFR)チェック
原因
原因は
カリウムの過剰摂取、細胞外シフト、カリウムの排泄量低下に大別されます。
偽性高カリウム血症を呈する場合もあるので、採血データの解釈は注意します。
高カリウム血症の一般的な原因には,
カリウム保持性薬剤
腎機能不全
副腎機能不全
および細胞の崩壊を伴う疾患
(例,横紋筋融解症,熱傷,軟部組織または消化管への出血)などがあります。
高カリウム血症は,
心毒性が出現するまでは通常無症候性ですが,
筋力低下を呈する患者もいます。
症状
①心伝導障害
②神経・筋症状
低換気(呼吸筋麻痺)
筋力低下
脱力
弛緩性麻痺
下痢
慢性的な高カリウム血症では、より高度になるまで心電図異常は見られません。
心電図変化
PR延長,QT短縮,および左右対称のT波の尖鋭化から始まります。
:カリウムが6.5mEq/Lを上回った場合は,
QRS幅が増大し,P波が消失します。
:最終的に
QRS波は変形して正弦波パターンとなり,心室細動または心静止へと至ります。