きくてぃブログ

〜理学療法士の日常の全て〜

歩行のメカニズム

今回は「歩行のメカニズム」をお伝えします。

目次:

 

悩み

・歩行は早い

・すぐ終わってしまう

・何をみたらいいのかわからない

・評価と関連づけることができない

・よくわからない

 

なぜ私が伝えるのか?

現在病院で理学療法士として働いています。

毎日歩行観察し分析し、治療を行なっています。

多くの方を担当し試行錯誤を繰り返してきました。

その経過をお伝えできるかと思います。

 

歩行の決定因子

まず歩行を見るにあたって、ポイントがあります。

ただ闇雲にみていてもわかりません。

大まかに決定する項目は以下の6つになります。

正常な人の6つの項目をまずは頭に焼き付けておくことは大切です。

 

またこの項目を頭に入れて歩行をみていくことで、

なぜ正常とは逸脱した歩行が起こってしまうのか?を考えることができ

評価に繋げることができます。

 

1骨盤の回旋

2骨盤の傾き

3膝関節屈曲

4足関節の機構

5膝関節の機構

6骨盤の左右の移動

 

この中6つのどれかが崩れると歩行が崩れることに繋がります。

そのため、歩行時にみるポイントともなりますが評価のポイントでもあります。

 

ロッカー機能 

役割

歩行における身体重心の前方への推進には重力駆動力として利用されます。

 

heel Roker (踵接地)

足部の滑らかな接地・下腿の前方回転

 

踵接地時は一気に重心が落下します。

2cmの重心の落下は凄まじい衝撃となります。

そのため、前脛骨筋や大腿四頭筋ハムストリングス、脊柱起立筋などが遠心性収縮を行い衝撃吸収を行います。

その時前方への回転運動を生むためにも踵接地が必要となってきます。

踵接地ができないと、重心移動が一旦停止するため再び能動的に回転運動を起こさないといけません。

 

ankle Roker(足関節の回転)

下腿の前方回転制動

 

立脚中期に足関節を中心として重心が前方に回転していきます。

この時膝と股関節は伸展して、身体は鉛直配列に近づきます。

その後身体は重力によって回転する力が生まれます。

この時前方回転にブレーキをかけるためヒラメ筋が遠心性収縮を行います。

 

forefoot Roker(MP関節)

身体の前方回転制動

 

立脚後期に足関節からMP関節の回転運動に切り替わり、重心の下降を防ぎ上方修正します。

また反対の脚では遊脚で前方に降り出しており、時間を稼ぐことをしています。

要するにステップ長のコントロールをしています。(歩幅を稼ぐ)

この時には腓腹筋の筋力が必要となります。

 

また重心移動の方向をコントロールします。

足関節の軸は1軸であるのに対して、

MP関節の軸は母指は斜め内側、小指は斜め外側と軸を使い分ければ身体をどの方向にも回転させることが可能となります。

これがうまく機能していないことで起こるのが高齢者の方向転換時の転倒です。

身体が進む方向とロッカーの方向が一致しないためです。

 

終わりに 

私たちセラピストにとって歩行を見る機会は多くなります。

それは何か行為を行おうと必ず動作が伴います。

ヒトであれば歩行が代表的です。

基本動作を獲得を目指すことが目標の私たちにとって歩行は1番大事と言っても過言ではないでしょう。

ぜひ今日から歩行を見直し、臨床に生かしてみてください。