きくてぃブログ

〜理学療法士の日常の全て〜

股関節疾患の可動性障害についての一つの案

f:id:chikugiyuki:20181006152338j:plain

はじめに

こんにちは。今回もたどり着いていただいてありがとうございます。

日々臨床と学習を繰り返し試行錯誤を行なっています。

何に悩んでいるのか?

そんな中股関節ってよくわからないなと思う場面がありました。

理由として、

・体表からわかりにくい

・股関節自体を出しにくい(服があるため)

・いろんな組織がたくさんある

・座位ではわかりにくい

・立位姿勢では上からも下からも影響受ける

・曲がらなくて困る

・伸びなくて困る

ということがありました。

同じようなことを悩んでる方がいると思いましたので、まとめて見ました。

なぜ私が伝えるのか?何を元に伝えるのか?

毎日病院でリハビリの臨床を行い、臨床と学習を繰り返しています。

その中で疑問点が生じてくるのでそれをお伝えしています。

私が伝える元となるのは、書籍・セミナー・実体験・他者の意見などからです。

実感がわかない書籍やセミナーを少し臨床経験をミックスして伝えられたらと考えています。

目次:

  • はじめに
  • 何に悩んでいるのか?
  • なぜ私が伝えるのか?何を元に伝えるのか?
  • 股関節疾患の治療(可動性改善)
    • ・股関節周囲筋肉による可動性障害
    • ・関節唇、関節包による可動性障害(癒着や短縮)
    • ・筋緊張の増加による可動性障害
    • ・股関節屈曲の可動性障害
  • 日常生活動作
    • ①足指の爪切り
    • ②正座
  • 終わりに
続きを読む

レントゲンの見るべきポイント

 

f:id:chikugiyuki:20190501121050p:plain

はじめに

こんにちは。今回もたどり着いていただいてありがとうございます。

日々臨床と学習を繰り返し試行錯誤を行なっています。

 

なぜ私が伝えるのか?何を元に伝えるのか?

毎日病院でリハビリの臨床を行い、臨床と学習を繰り返しています。

その中で疑問点が生じてくるのでそれをお伝えしています。

 

私が伝える元となるのは、書籍・セミナー・実体験・他者の意見などからです。

実感がわかない書籍やセミナーを少し臨床経験をミックスして伝えられたらと考えています。

  • はじめに
  • 骨折
  • 読めない理由
  • レントゲン評価
  • 読影のポイント
  • 終わりに
続きを読む

後脛骨筋:アーチ保持で重要な筋肉

f:id:chikugiyuki:20190501115737j:plain

はじめに

この記事は、医学書籍・医学論文を参考に作成されています。 

対象

・筋肉を治療対象とする専門家(理学療法士柔道整復師、あん摩・マッサージ師、整体師)

・筋肉を学ぶ方

・障害を受けた方

 

  • はじめに
  • 対象
  • 機能
  • 特徴
  • 触診
  • 評価
  • エクササイズ
  • 関連疾患
続きを読む

歩行近位監視から自立を目指すに当たって考えること

皆さんは安静度を変更するに当たって、どのようなことに着目し練習をしているでしょうか?

カンファレンスで「この人は見守りレベルです。」という方がどうしたら自立していけるのでしょうか?

そんな点を踏まえて今回は歩行自立を目指すにあたり転倒をどう防ぐのかということをお伝えできたらなと考えております。

 

歩行近位監視まで

この状態は筋力やストレッチ、歩行訓練で持っていけます。

練習あるのみです。

 

遠位監視

また近位監視ではなく遠位監視となる場合は次のことが言えると思います。

「危険察知能力がない」

ということです。

認知機能が低下している、目が非常に悪い、聴覚が悪い(音を集中して聞き続けられない)方が対象となるかと思いますが、遠位監視をするのであれば近位監視でよくて、意味がないという人もいます。

f:id:chikugiyuki:20190501121135j:plain

目次:

  • 歩行近位監視まで
  • 遠位監視
  • 近位監視から自立を目指す時
  • 動的な姿勢制御
    • ①床反力制御 
    • ②目標・モデルZMP制御
    • ③着地位置・着地タイミング制御
    • +α 眼球と頭部の動き
  • 環境からの変更要求
  • 終わりに
続きを読む

膝関節の安定性

 

運動機能障害の「なぜ?」がわかる評価戦略: 運動機能障害の「なぜ?」がわかる評価戦略

とってもわかりやすい名著。

これを元に運動器疾患勉強していきました。

評価をどうしたらいい?と悩んでいた時に雲が晴れたようでした!

 

はじめに

こんにちは。今回も読んでいただきありがとうございます。

日々臨床と学習を繰り返し試行錯誤を行なっています。

 

なぜ私が伝えるのか?何を元に伝えるのか?

毎日病院でリハビリの臨床を行い、臨床と学習を繰り返しています。

その中で疑問点が生じてくるのでそれをお伝えしています。

私が伝える元となるのは、書籍・セミナー・実体験・他者の意見などからです。

実感がわかない書籍やセミナーを少し臨床経験をミックスして伝えられたらと考えています。

 

今回は「膝関節の安定性」についてお伝えします。

 

膝関節の安定性は、骨構造や靭帯、関節包などの受動的組織が担う静的安定性と能動的組織である筋が担う動的安定性があります。

中心靭帯安定化機構

(膝関節の静的安定性)

ACLとPCLが内旋位となることで、関節面の適合性を高め膝関節を安定化させます。。

ちなみに、

IC~LRにおける膝の安定化では、大臀筋が大腿外旋位固定を行い、前脛骨筋が下腿内旋を行います。

フォースカップ

(膝関節の動的安定性)

フォースカップルとは動作において、2つ以上の筋が協働して作用することで、効率的な動きや安定性を供給する筋の組み合わせのことです

大臀筋と大内転筋の働きにより協調的な作用が起こり大腿骨を介して膝関節の安定化が行われるます。

 

下腿の外側傾斜が大きい

膝関節の内反変形

「腓骨の下方変位」の可能性があります。

その際、腓骨頭に付着する大腿二頭筋が過緊張となり、膝関節の伸展制限が起こり得ます。

また腓骨の挙上困難となることで、足関節背屈制限が生じることもあります。

 

終わりに

膝関節の機能は多くの機能を持っています。

今回は中心靭帯安定化機構、フォースカップル、腓骨の下方変位についてお伝えしました。
他にも参考になる記事載せておきますので、ご覧になってください。

足関節からみた膝関節

はじめに 

立位や歩行の際には唯一地面と接する部分は足関節です。

足関節の機能が障害されることでどのような膝関節の機能に影響するのでしょうか。

足関節・足部の有する機能

足関節・足部のもつ機能として次の3つがあります。

この機能が障害されることでストレスが生じたり、不安定性を助長することとなります。

①身体の土台としての可動機能

下腿の傾斜の制御

外側傾斜が制限

・外側では圧縮ストレス

・内側ではMCL、縫工筋、薄筋、半膜様筋に過剰ストレスが加わることになります。

外側傾斜が過剰

・内側では圧縮ストレス

・外側では、LCL、腸脛靭帯、大腿二頭筋に過剰ストレスが加わることになります。

 

下腿の傾斜は主に距腿関節・距骨下関節を中心とした複合的な可動に寄って決まります。

そのため制限が生じれば、近位に位置する膝への負担を大きくなります。

②衝撃吸収・支持機能

足底アーチ関連

アーチ構造

足関節・足部の機能として重要なのが、アーチ構造です。

アーチ構造は剛性と柔軟性という相反する機能が要求されています。

 

縦アーチ

静的サポートとして、足底腱膜、長足底靭帯、スプリング靭帯があります。

これらを切除すると、アーチの剛性が25%低下すると報告されています。

 

横アーチ

大切なのが「クロスサポートメカニズム」であり、関節の安定性に関与しています。

長腓骨筋と後脛骨筋によるクロスサポートメカニズムにより保持されています。

 

アーチの保持には、足外在筋の関与や足内在筋の要素が重要です。

特に第2~5指の底屈エクササイズは内側縦アーチの高位を増加させます。

つまり底屈位での足指屈筋の評価も重要です。 

距骨下関節回内に伴うアーチ下降のメカニズム 

回内すると、距骨と踵骨の位置関係が上下から左右の関係となります。

また立方骨の位置が変化してアーチ下降可能となります。

 

アーチ下降すると距骨が関節面から逸脱し、この距骨頭の一部を底側踵舟靭帯が支えます。

(=この底側踵舟靭帯が衝撃吸収をしている)

すぐこの下に後脛骨筋があり、張力が低下すると内側縦アーチが降下すると言われています。

長母指屈筋

回内した状態でのアーチ下降を遠心性に支えます。

背屈方向から底屈方向への弾性を作り出すキーマッスルです。

適度な緊張が足部や足関節の衝撃吸収や支持機能に関与しています。 

MP関節の伸展可動域 

MP関節伸展方向への可動ができることで、足底腱膜に対して伸張ストレスを与えることとなります。

そこを起始する短指屈筋や足底方形筋などのアーチを保持する張力に影響をきたします。

この張力は歩行路の踏み返しや衝撃吸収に役に立っています。

 

荷重下の条件においては、距腿関節の底屈の可動性、距骨下関節の回外可動性がなければMP関節伸展可動域を得ることはできません。

十分に患側に荷重できなければ、立脚期は短くなりそれを繰り返すことで、距腿関節は十分底屈せず歩行周期を終えてしまいます。

すると底屈制限に起因したMP関節の伸展制限も起こってきます。

 

踵部皮下組織 

Langらによると「踵部皮下組織は圧迫荷重に耐えられるように作られている」と述べています。

その踵骨内側突起皮下1.6cm程度存在します。

これが損なわれると膝関節の衝撃が増強することが考えられます。

 

前後方向は前方へ流動しながらたわみ、踵骨が後方へ滑走すると言われています。

内側荷重を行なった場合、踵部皮下組織は踵骨に対して外側へシフトします。

踵部皮下組織の柔軟性が低下すると、衝撃吸収能や踵骨の傾斜量に影響し、膝関節の衝撃を助長します。 

③路面状況や支持基底面の状況を伝達するセンサー

常に地面と接し、姿勢制御を行なっています。

足底からのフィードバックは前庭からのよりも早いと言われています。

また足部内の各関節で情報の伝達化が細分化されています。

足部からの求心性情報に隔たりが生じた場合(足圧が限局された場合)

限られた知覚情報に準じた姿勢制御となり、運動の自由度が減少することが考えられます。

終わりに 

足部の衝撃吸収機能が低下すれば、膝関節への衝撃は増加します。

足部の支持機能が低下すれば、膝関節への不安定性が増加します。

足部のセンサー機能が低下すれば、制限の中での姿勢制御となり運動の自由度が減少します。

このように膝と足では密接な関係があります。

膝を見る場合でも、足の状態は特に観察して治療を行なっていくことが良いでしょう。

「膝OAのバイオメカニクス」

筋骨格系のキネシオロジー 原著第3版 

キネオロジー出たんですね!

これをよく見て運動解剖学を勉強したのを覚えています。
カパンジー機能解剖学 も改変されいろんな書籍が改変されていきますね。

ただ人間の基本となるものは同じなので一読はしておきたいです。

 

はじめに 

こんにちは。今回も読んでいただきありがとうございます。

日々臨床と学習を繰り返し試行錯誤を行なっています。

 

なぜ私が伝えるのか?何を元に伝えるのか?

毎日病院でリハビリの臨床を行い、臨床と学習を繰り返しています。

その中で疑問点が生じてくるのでそれをお伝えしています。

私が伝える元となるのは、書籍・セミナー・実体験・他者の意見などからです。

実感がわかない書籍やセミナーを少し臨床経験をミックスして伝えられたらと考えています。

 

 

今回は膝OAのバイオメカニクス的特徴を紹介します。

3つに分けられます。

この3つは歩行において見るべきポイントとして重要となってきます。

膝関節屈曲角度 

歩行時の膝関節屈曲角度について以下の2つが論文で報告されています。

IC時の伸展制限がある場合、より急激な膝OAの進行を示す

という報告があります。

この原因として

膝窩の後内側の影響が関与しています。

(特に膝関節関節包後部)

 

LR時の膝関節屈曲運動の現象があると衝撃吸収を行うことができなくなる。

という報告があります。

 この原因として

・膝関節周囲筋の共同収縮

大腿四頭筋の筋力低下

・膝関節部の疼痛

などが考えられます。 

※上記の原因があるので動的な膝関節の安定性の獲得をするために、膝関節周囲筋の共同収縮を軽減させる目的で、

・動筋と拮抗筋の相反抑制を正しく再学習させること

・遠心性収縮を意識したトレーニン

が動的な膝関節の安定性の獲得につながります。

 

外部膝関節内転モーメント(KAM) 

KAM:external knee adduction moment

前額面上で歩行立脚期の床反力ベクトルの大きさと膝関節中心から床半力ベクトルまでの推薦であるレバーアームの長さとの積にて算出することが可能です。

膝関節内側荷重量とKAMは高い相関を示す。OA患者はKAMが増大する。」と報告されており信頼性のある代替指標であります。

 

減少させる歩行戦略として

・外側への体幹傾斜

toe out戦略

以上によりレバーアームを減少させることでKAMを減少させます。

 

外部膝関節屈曲モーメント(KFM)

KFM:external knee flexion moment

膝OA患者は歩行中のKFMの減少する」と報告されています。

矢状面上での床半力作用線と膝関節中心までの距離です。

KFMを減少させることで保護的な戦略を取ることを示唆しています。

 

終わりに

いかがでしたでしょうか?

以上の3つを歩行時に見るべきポイントとして再考してみてください。

toe out戦略を取っているからKAMを減少させようとしているんだな。

・LR時に膝が曲がっていない。KFMの減少や共同収縮を行うことで衝撃吸収を代替してるんだな。

 

など様々に考えることができます。

膝OA患者さんを見るときのポイントとなりうると思います。

明日の臨床から生かしてみてください。