きくてぃブログ

〜理学療法士の日常の全て〜

「膝OAのバイオメカニクス」

筋骨格系のキネシオロジー 原著第3版 

キネオロジー出たんですね!

これをよく見て運動解剖学を勉強したのを覚えています。
カパンジー機能解剖学 も改変されいろんな書籍が改変されていきますね。

ただ人間の基本となるものは同じなので一読はしておきたいです。

 

はじめに 

こんにちは。今回も読んでいただきありがとうございます。

日々臨床と学習を繰り返し試行錯誤を行なっています。

 

なぜ私が伝えるのか?何を元に伝えるのか?

毎日病院でリハビリの臨床を行い、臨床と学習を繰り返しています。

その中で疑問点が生じてくるのでそれをお伝えしています。

私が伝える元となるのは、書籍・セミナー・実体験・他者の意見などからです。

実感がわかない書籍やセミナーを少し臨床経験をミックスして伝えられたらと考えています。

 

 

今回は膝OAのバイオメカニクス的特徴を紹介します。

3つに分けられます。

この3つは歩行において見るべきポイントとして重要となってきます。

膝関節屈曲角度 

歩行時の膝関節屈曲角度について以下の2つが論文で報告されています。

IC時の伸展制限がある場合、より急激な膝OAの進行を示す

という報告があります。

この原因として

膝窩の後内側の影響が関与しています。

(特に膝関節関節包後部)

 

LR時の膝関節屈曲運動の現象があると衝撃吸収を行うことができなくなる。

という報告があります。

 この原因として

・膝関節周囲筋の共同収縮

大腿四頭筋の筋力低下

・膝関節部の疼痛

などが考えられます。 

※上記の原因があるので動的な膝関節の安定性の獲得をするために、膝関節周囲筋の共同収縮を軽減させる目的で、

・動筋と拮抗筋の相反抑制を正しく再学習させること

・遠心性収縮を意識したトレーニン

が動的な膝関節の安定性の獲得につながります。

 

外部膝関節内転モーメント(KAM) 

KAM:external knee adduction moment

前額面上で歩行立脚期の床反力ベクトルの大きさと膝関節中心から床半力ベクトルまでの推薦であるレバーアームの長さとの積にて算出することが可能です。

膝関節内側荷重量とKAMは高い相関を示す。OA患者はKAMが増大する。」と報告されており信頼性のある代替指標であります。

 

減少させる歩行戦略として

・外側への体幹傾斜

toe out戦略

以上によりレバーアームを減少させることでKAMを減少させます。

 

外部膝関節屈曲モーメント(KFM)

KFM:external knee flexion moment

膝OA患者は歩行中のKFMの減少する」と報告されています。

矢状面上での床半力作用線と膝関節中心までの距離です。

KFMを減少させることで保護的な戦略を取ることを示唆しています。

 

終わりに

いかがでしたでしょうか?

以上の3つを歩行時に見るべきポイントとして再考してみてください。

toe out戦略を取っているからKAMを減少させようとしているんだな。

・LR時に膝が曲がっていない。KFMの減少や共同収縮を行うことで衝撃吸収を代替してるんだな。

 

など様々に考えることができます。

膝OA患者さんを見るときのポイントとなりうると思います。

明日の臨床から生かしてみてください。