肩関節との関係性(肩甲骨の下方回旋)
①そもそものアライメントの確認
肩甲骨のアライメント
上角:th2棘突起
下角:7~8肋骨の高さ、th8
棘突起と内側縁の距離:おおよそ6cm(3横指)
肩甲骨の内側が気持ち上方回旋しているのが大事
肩甲骨の内側縁で下部が上部よりも内側にあると、下方回旋していることとなります。
②肩甲骨が下方回旋しているとどうなるのか?
そもそも上方回旋する筋は僧帽筋下部線維(=呼び鈴運動)です。
僧帽筋下部線維が働いて棘上筋が働き骨頭が求心位となります。
僧帽筋下部線維が働いていないと、棘上筋が働けず、肩甲骨が下方回旋してしまいます。
肩甲骨が下方回旋していると骨頭が求心位に保たれません。
すると、上方の関節包が緩んでしまうので骨頭が落ちます。
落ちたものは落ちたままにはならないので、代償が効いてきます。
骨頭を上に引っ張り上げる筋肉(=上腕二頭筋)のトーンが上がります。
なので、片麻痺の患者さんはどんどん上腕二頭筋のトーンが上がっていきます。
なので肩甲骨の位置を上方へ誘導していくことが大事です。
インピンジメントはこれで起こります。
棘上筋が使えなくなるのは肩甲骨が下方回旋しているからです。
棘上筋がきかないから骨頭が上につきあがり棘上筋が挟み込まれてしまうようになります。
インピンジメントが進む道は
肩峰下滑液包炎や棘上筋の断裂が起こります。
また三角筋が硬くて上に引っ張られると、肩甲骨外転位になります。
肩甲骨を下方回旋させて戻してしまうこととなります。
三角筋が硬いことで内転できないことになります。
内転できないと、いつも肩甲骨を下方回旋させて上腕二頭筋のトーンをあげてしまいます。
そのため、三角筋を緩めて、内転位で挙上できることが大切です。
③僧帽筋下部線維
scaplaplane45度上で上腕骨を外転に抵抗を与えた時、
上方回旋位で固定できないと(下方回旋してしまう)僧帽筋下部線維が効いていない印となります。
ちなみに棘下筋は硬くなりやすい筋肉です。
硬くなることで骨頭が前方に変位してしまいます。
硬いと水平内転したときに、肩甲骨内側縁が浮き出てしまうこととなります。
棘下筋、後方関節包が硬いと僧帽筋下部線維が働かなくなりますが、
まずは、棘下筋、後方関節包を緩めていくことが大事です。
トレーニングする際にはローテータカフ全部をトレーニング行います。
正しいアライメントができたところでやらないとカフのトレーニングを行わないと意味がないです。
おまけ
1.肩甲骨はがし
肩甲骨の内側縁から指を入れていき剥がしていきます。
そのときに肩峰が動いているのを確認します。
特に特に肩鎖関節が動くのを確認します。
全体を見ていく順番としては、「第二肋骨⇨鎖骨⇨肩鎖関節」の順で見ていくのが良いでしょう。
2.運動
はじめの運動するときは、肩のscaplaplane上を動かしていく
そうすることで上腕骨頭大結節が突っかからずに通ることができます。