きくてぃブログ

〜理学療法士の日常の全て〜

リハビリの組み立て方・時間配分方法(動画説明あり)

目次

 

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何を伝えるのか?

今回は、リハビリテーションを実施するにあたり、

時間の組み立て方・時間配分の方法をお伝えします。

外来診療や入院中の1~2単位だとすぐに時間がきてしまいます。

そんな時間が短い中でどう組み立てたら良いのかお伝えします。

 

対象

「やりたい検査や評価があるけれども時間が足りない」

「思うように成果が出ないか心配」

「時間をかけたいけど単位での時間制限がある」

「そもそも臨床の組み立て方がわからない」

「逆に4単位と時間があまりすぎて、思考停止してROMexしている」

 

など

このように「臨床の時間配分」に悩みを持った方へお伝えできたらと考えています。

 

なぜ私が伝えるのか?

理学療法士として毎日15人程度の患者さんをリハビリしています。

時間配分を間違う一人一人により良いリハビリが提供できなくなります。

そのため現在も継続して行えている時間制限ある中でのリハビリ方法・時間配分の方法をお伝えします。

 

評価さえできれば不安は解消される 

そもそも時間配分がうまく行かない方は、

「これでいいのかな?こっちもやっとこ。」

としっかりと当たりをつけれていない場合があります。

評価が行えていない状況です。

そのため、不安だから様々なリハビリを行う。

結果よくはなるけれども何がよくしたかわからないし

時間がかかりすぎてしまう。

ということになります。

しっかり評価が行えてさえいれば、不安を感じることなく

時間を間延びさせず、短時間で効果を出すことができます。

 

評価を行えることはリハビリ職では絶対必要です。

 

介入からクロージングまで

(基本的な流れを紹介いたします。)

介入とは 

まず介入とは

患者さんが来室し患者さんがいなくなるまで」を意味します。

リハビリテーション室にいる間はやはりリハビリ職の監督下であるという意識を持っていただいた方が良いでしょう。

 

流れ 

開始から終了までの一連の流れです。

流れがをしっかりと行えていると、

「結局何がしたかったのかわからない」

というようなことはありません。

 

また

リハビリにきたらまずプラットホームに寝かせる。

ROMexして、筋トレして、歩くといった

定型的なパターンのリハビリに陥ることもありません。

順をおって説明いたします。

 

基本的な流れ(1~6)

1説明 

介入前の会話です。

問診も含みますが、「今日の調子はいかがですか?」「変わりないですか?」のようにリハビリを実施する前の体調を確認する意味でも必要です。

またラポールが形成されていない場合、形成するためにも必要不可欠であるので、必ず実施するようにしてみてください。

参考にこちらもどうぞ。

 

chikugiyuki.hatenablog.jp

 

 

2現状確認

現在どのような動作をしているのか?

理学療法士であれば、今現在の一番レベルの高い動作を行なってもらった時どんな動きが出るのかをみます。

効果判定を行う上で介入前がどうであるかをみます。

現状を把握する上で大切です。

 

3現状問題点を仮説

どのような動作をしているかをみた後は、その動作からどんな問題が起こっているかを羅列します。

そこから問題点の仮説を立てていきます。

 

4検査・評価↔治療 

仮説を立てた上で、検査・評価を行なっていきます。

歩行時に股関節外転の筋出力が出ていないと考えたら、

片足立位ではどうか?

立位保持ではどうか?

起立動作ではどうか?

座位保持ではどうか?

背臥位ではどうか?

抵抗運動ではどうか?

など、どの時は出て、どの時は出ないかを明確にしていきます。

筋出力が出ていないフェーズを見つけたらどうしたら出るのか?を調べて誘導していきます。

 

5効果判定 

誘導を行なった結果、

介入前と比べてどう変化したのか?

または変化していないのか?をみていきます。

変化があればその介入は継続して行い、

次の時には別の問題点も仮説を立てていきます。

そうすることで問題点が列挙されていき、時間制限のある中で

より良い効果を得ることができます。

 

6説明

最後に現在どういう状況であるかを伝えます。

今回こういうところにアプローチしたら、介入後どうなったかを伝えます。

最初と最後でしっかりと説明を行うことで1回のリハビリ介入に締まりが出てきます。

だらけたリハビリを行わないためにも大切です。

これを怠ると、患者さんは

「リハビリはいいのか?悪いのか?」

「先生や看護師さんに行けと言われたからいく。」

というような状況に陥りやすくなります。

 

注意点

上記のように介入からの流れがあったとしても、理想の流れのように行かないのが臨床です。

突発的に病棟から連絡きたり、家族がきたり、トイレいきたいと言われたり

様々なことが起こり得ます。

そういうことが起こり得るので、準備をしておく必要があります。

 

今日やるべきことを1つにしておく。 

あれもこれもやりたいのは山々です。

時間があればやりたいです。

しかし現実は違います。

やれない時がほとんどです。

なので今日確かめたい項目・治療を患者さんに会う前に

ピックアップしておきます。

事前準備をします。

そうすることで、来た時迷う時間なく即時介入を行え

実施できれば今日は成功!余った時間で別の評価・治療を行うようにします。

 

自己でできないところを中心に組み立てる 

せっかく来ていただいているので、自主練習できないことを中心に評価・治療を行います。

できないことを行い、リハビリ以外の時間に自主練習をしてもらうようにします。

私たちがいるべき理由を改めて考えていきたいものです。

 

評価自体のバリエーションを持っていない若手は・・・。

とはいえ基本的な流れは評価方法や評価の選択肢を持っていればいるほど

精度が高く、時間効率よく行えます。

そのため若手セラピストは選択肢の幅が少ないです。

参考までに、少しだけフォーマットをお伝えします。

 

フォーマット

このフォーマット通りに行うと、的外れな治療を行うことは少ないです。

もちろん人間固有の特徴があり、「個別疾患リハビリ」が叫ばれてる現在フォーマットで行うのは正しいとは思えません。

しかし、若手や知識の少ない人にとって勉強するまでの期間「何もなしでやってください」はばらつきが大きすぎます。

なのである程度のフォーマットは必要になるかと考えています。

 

非荷重での訓練

1疾患局所

2隣の関節

体幹

例:変形性膝関節症であれば、1膝、2股関節と足関節、3体幹 

この関節をROMexや筋力強化練習します。

荷重での訓練 

1安定した動作

2挑戦する動作

例:変形性膝関節症で杖歩行見守りレベルあれば、1平行棒内歩行や歩行器歩行、2片手歩行や杖歩行 

 

基礎的な評価(学校で習うレベル)

ROM、MMT、Sensory、姿勢、動作

など学校で習った基礎的なところをしていきましょう。

ボトムアップで全部見ていった方がいいです。

目星をつけることも大切ですが、ボトムアップでやることは他の患者さんの比較する際の経験になります。

膝の疾患の方の股関節や足関節、肩関節を見ておくことは大切です。

次の機会に足の疾患の方が来た時に参考にすることができます。

 

どんな評価があるかよく知らない 

評価は定量的な評価から主観的な評価まで様々です。

人間を扱う職だからこそ、データ的に表現できない評価も多いです。

学校で習う評価は定量的な評価ばかりです。数字で表せるからこそ学校の教科書で何人もの人に伝えることができています。

入植してセラピストとしてなった時からは主観的な評価も磨いていくことが必要でしょう。

そのための必要なスキルは、解剖・生理・運動・触診です。

またトップランナーは骨関節系だけでなく、神経学的、心理学的にも着目します。

徐々にバリエーションを増やしていくと良いでしょう。

 

終わりに 

時間制限のある中でリハビリを行うためには、事前準備が必要になってくると思います。

頭の中に以上のような流れが入っていると時間を短縮することができたり、または時間を引き延ばすことも可能です。

評価を行うことに終わりはありません。

リハビリ職にとって治療技術よりしっかりと評価が行えることが大切と考えています。(評価を行うこと自体も治療につながるため)

 

明日から以上のようなことを念頭に置き、より良いリハビリを提供してみてください。