大腿骨大転子と大腿骨頭に着目して(股関節モビライゼーション)
大転子
触診方法:
背臥位や立位で股関節を外転します。
頭側から尾側に体側をなぞっていくと折れ曲がるところがあります。
そこが大転子になります。
確認方法 :
触診した状態で股関節を内外旋します。
動かなければ骨盤であり、動けば大転子となります。
付着 :
大転子には、梨状筋・中臀筋・小臀筋が付着しています。
また大転子の内側面と頚部との間には転子窩が存在し、ここに内外閉鎖筋・上下双子筋が付着します。
大転子を後方からみると、大転子と小転子の間には斜めに結ぶようにして、やや隆起した転子間綾があり大腿方形筋が付着しています。
大腿骨頭
解剖:
大腿骨頭は約130度内上方で前額面に対し約14度前方(前捻角)に位置しています。
股間節伸展位では大腿骨頭の一部は臼蓋からはみ出しており、屈曲位では全て被覆されております。
そのため股関節伸展位では不安定になりやすく、各種靭帯によって制動されています。
股関節の関節包には小臀筋や腸骨筋の線維の一部が付着しています。
触診方法:
背臥位や立位で、手のひらを大転子に当てます。
120~125度の角度に母子を当てます。(頚体角)
当てたところの深部にあるイメージをします。
確認方法:
立位で確認します。
反対側を前に出し、股関節を伸展します。
触れていたところが前方に押し出される感覚があるところが大腿骨頭です。
前方に押し出される感覚がないと、股関節はしっかりと伸展出ていません。
注意点:
・この際、健常な方でも確認する脚が膝屈曲していたり、骨盤回旋していたりと代償をだす場合があるので注意が必要です。
・立位で確認は「歩行に繋げること」や「代償動作を知る(立脚後期が作れない)」を知るためです。
股関節モビライゼーション
股関節の関節包を緩ませる目的で実施します。
背臥位となり、「股関節30度、外転30度、軽度外旋位、足関節背屈」にします。
保持したまま下肢の長軸方向に骨盤を動かさない範囲で牽引します。離開します。
深呼吸を3~5回ほど実施します。
前後評価(股関節屈曲、トーマステストetc)を行い変化を見ます。