きくてぃブログ

〜理学療法士の日常の全て〜

後脛骨筋:アーチ保持で重要な筋肉

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はじめに

この記事は、医学書籍・医学論文を参考に作成されています。 

対象

・筋肉を治療対象とする専門家(理学療法士柔道整復師、あん摩・マッサージ師、整体師)

・筋肉を学ぶ方

・障害を受けた方

 

機能

起始:下腿骨間膜後面の上半、脛骨・腓骨の骨間膜

停止:主に舟状骨粗面、内側楔状骨

   線維の一部は足底へ広がり中間・外側楔状骨、立方骨底面にも至る

神経:L5-S1脛骨神経

作用:底屈、内反

   内反の主力筋(長母趾屈筋、長趾屈筋、TA)

特徴

・扁平足の治療でアプローチ筋であります。

・底屈+内反⇨内側楔状骨を挙上させます。

・内側縦アーチに関与しています。

・「wrap around 構造」

  後脛骨筋腱は内果を滑車として走行が変化する構造を持っています。

・深外側コンパートメントを構成しています。ヒラメ筋の深層にあります

(後脛骨筋、長指屈筋、長母指屈筋)

・筋線維の割合はヒラメ筋やTA、腓骨筋のように遅筋線維が高くないため、歩行の関与は低いと考えられます。

 

・アナトミートレイン

DFLに繋がっています。

DFLは足部の内側縦アーチを保持し、下肢の各区分を安定させ、腰椎を前方から安定させています。

触診

足根管レベルでは内果のすぐ後方を通ります。

そのため内果後方で触れることができます。

評価

荷重位評価

too many toes sign

後脛骨筋機能不全にみられます。

 

heel raise test

片足heel raiseをやってもらいます。

本来後足部は内がえしして挙上します。

機能低下していると後足部は外がえし位のまま挙上します。

 

非荷重位評価

外がえし方向に負荷をかけます。

足底部から指先で軽い負荷をかけた時に、足部を固定できるかで評価します。

母趾側に抵抗を与えれば後脛骨筋、小趾側に抵抗を与えれば長腓骨筋を評価することとなります。 

エクササイズ

エクササイズを実施するにあたり足部内転運動がもっとも効果的とされているのでご紹介いたします。

後脛骨筋は実生活では単独での収縮より荷重位で行うので、荷重位でのエクササイズは大切です。

 

・足部同士の抵抗

左右の母趾同士で穏やかに抵抗をかけて、近位筋と同時に促通します。

この時内転筋に力が入らないよう、膝蓋骨を正面にしておきます。

 

・バンドを用いた抵抗

前足部内側にまき、足部内転動作を行います。

 

・足部30度内転位でのカーフレイズ

後脛骨筋の筋活動量が高いとされています。

可能な限り小指球に荷重さあせて踵挙上とともに内返しを強調させます。

関連疾患

シンスプリント、足関節果部骨折、有痛性外脛骨

後脛骨筋腱機能不全(PTTD)

これにはステージ分類が存在します。

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