きくてぃブログ

〜理学療法士の日常の全て〜

知覚循環ってなんだろう。生体心理学的視点

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みなさん知覚循環という言葉をご存知ですか?

 

医学的には、知覚と運動は分けて考えることが多いです。

 

検査でも感覚検査と運動の検査は異なって存在しています。

 

しかし、日常における動作や行為においては知覚と運動は必要十分な関係であります。

 

そう、循環的な相互関係があります。

 

 

知覚循環とは・・・。

Neisserによると、

「ヒトは環境からの無限の情報あら、動くことで知覚を得る。

エタ知覚により、身体図式の修正を図る。

そして、修正された身体図式はさらに次の探索を方向づけると解釈できる。」

 

要するに、私たちが立ったり座ったりするのは、触れている感覚からのフィードバックがあるからこそ成り立つ。

その感覚をもとに次立つときにはその感覚を頼りに立ったり座ったりする。

 

 

なんどもなんども繰り返すことで自分がどんな場所、素材の上に立っていて

どうすればいいのかがわかってくるというのが知覚循環という説明になるでしょうか。

 

 

 

Anokhinによると、動物の条件反射が成立するまでの学習過程において、

感覚受容器から得られた感覚入力も含めた環境情報により知覚情報を得るとしている。

 

徒手抵抗により刺激された固有感覚入力は環境情報の一部である。

 

より簡単にいうと、感覚は無意識の運動を行う1つの方法であります。

 

 

 

これを歩行に生かすことができます。

 

知覚循環と歩行

歩行をシステムとして考えた際、4つに分けることができます。

 

その1つの機能において行われる動きは

知覚と運動の循環的な相互作用において環境から情報を収集する為の探索活動であり、

その探索活動が時間的に連続したものが歩行となります。

 

接床機能:地面の水平性

支持機能:地面の性質(床の素材・硬度)

推進機能:足圧の移動

到達機能:足を振り出す方向と高さ

 

⇨患者には環境と相互作用を行う上で、どのようなことを知覚するために動けば良いのかを教えていくことがポイントとなります。

 

 

 

筋力やストレッチだけでは改善しない患者さんは多く存在します。

改善しないのは当たり前です。

人間は筋力や関節だけで構成されていません。

 

外転筋力を鍛えた患者さんがいつまでもデュシェンヌ歩行をしている方は近くにいませんか?

 

そういうことです。

様々な視点から評価をしていかなければいけないんですね。

 

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