きくてぃブログ

〜理学療法士の日常の全て〜

歩行分析の見るべき視点:3つのポイント

 

悩み

歩行を見ていくときに

「どこを見て行けばいいのかわからない」という方は多いと思います。

学生や若手であれば、

「早くてわからない」「着目点が多すぎる」ということとなるでしょう。

そんな方へ歩行のポイントをお伝えします。

すぐ臨床に役立つこともできますのでぜひご覧ください。

 

見る視点 

歩行において見る視点はたくさんあるかと思います。

立脚期、遊脚期、頭、肩、背骨、股関節、骨盤、膝、足

あげたらキリがありません。

 

その中で特に見ていくことが大切となってくるのは以下の3つです。

疾患固有の場所横揺れやテンポの崩れ立脚期です。

 

疾患固有の場所は、まず局所を見ることです。

何かが必ず起こっています。

 

そして横揺れやテンポの崩れです。

前額面上では横揺れ、矢状面上ではテンポが大事になってきます。

 

そしてここからは、

立脚期のポイントをお伝えします。

 

立脚初期ポイント:踵接地の重要性 

第一に大事なのは立脚期、特にICです。

踵がついた瞬間から上行性運動連鎖が始まります。

そのため距骨下関節の回内・回外はとても重要となっています。

 

回内

・衝撃吸収 足部剛性↓

・立脚初期では前方移動制限

・ショパール関節可動性↑

・内側荷重

 

回外

・安定化 足部剛性↑

・立脚初期では前方移動促す

・ショパール関節可動性↓

・外側荷重

 

立脚中期のポイント:外側縦アーチ

次に、立脚中期ではアーチ構造が大事です。

特に外側縦アーチが大事になります。

 

外側縦アーチを作るために

・立方骨パッド

・小指外転筋のリリース

・踵立方関節のモビライゼーション

・5列の底屈方向へのモビライゼーション

・距舟関節の回内方向へのモビライゼーション

・小指側の筋力トレーニン

 

特に小指側、立方骨周囲の軟部組織のリリースは重要です。

 

立脚後期のポイント:MTP関節伸展30度 

立脚後期では次のポイントが大事となります。

・MTP関節伸展30度

・距舟関節の外がえし

・1列の底屈

・距骨下関節の回外

 

立脚中期の時点で

・下腿三頭筋が十分な柔軟性を持っていること

・下腿前傾できる足関節背屈可動域10度以上あること

これがないと後期に移ることができません。

 

立脚後期でMP関節が伸展して蹴り出すことができると、

歩幅が増加します。

すると

股関節屈筋群の負担が軽減することで

体幹の回旋ストレスを軽減させることが可能です。

 

終わりに

どんなときも歩行時は必ず足部が床と接地しています。

そのため足部の機能低下が起こるだけでも、歩行を行いにくい状況となってしまいます。

足部の機能低下を防ぐためには、

・裸足で歩く

・足指に手指を入れる

・硬いボールでグリグリする

など常日頃から心がけておくことは大切になってくるでしょう。

僧帽筋:前鋸筋とのforce couple機構

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はじめに

この記事は、医学書籍・医学論文を参考に作成されています。

対象 

・筋肉を治療対象とする専門家(理学療法士柔道整復師、あん摩・マッサージ師、整体師)

・筋肉を学ぶ方

・障害を受けた方

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機能

起始:

 上部線維 後頭骨上項線外後頭隆起、項靭帯

 中部線維 th1~6棘突起

 下部線維 th7~12棘突起

停止:

 上部線維 鎖骨外側1/3後縁

 中部線維 肩峰の内側、肩甲棘上縁

 下部線維 肩甲骨棘三角部

神経:

C2~C4、副神経

作用:

肩甲骨の内転と肩甲骨の上方回旋(前鋸筋と共に行う)

上部は肩甲骨挙上、下部は肩甲骨下制の作用をもつ

 

特徴

僧帽筋上部線維:

鎖骨外側1/3を介して、

三角筋前部線維と互いに引き合う関係となります。(肩関節0度)

 

僧帽筋中部線維:

肩峰、肩甲棘を介して、

三角筋前部・後部線維と互いに引き合う関係となります。(肩関節90度外転位)

 

僧帽筋下部線維:

肩甲骨を介して、

三角筋前部・中部・後部線維と互いに引き合う関係となります。(ゼロポジション)

三角筋の収縮効率を高める固定筋となります。

 

上肢挙上に伴う肩甲骨の上方回旋は、

僧帽筋3つの線維群と前鋸筋による協同運動(force couple)によります。

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評価 

肩甲骨が外転している場合、

肩甲骨の内転・上方回旋に作用する僧帽筋中部・下部線維の筋力が低下している可能性があります。

また、これらの筋力が低下していると、僧帽筋上部線維肩甲挙筋の筋緊張が高まっている可能性があります。

 

中部線維の評価:

腹臥位にて肩関節90度肩甲骨面挙上位で実施します。

肩甲上腕関節は徒手的に固定します。

肩甲骨を内転位に誘導します。⇨その後最大内転位で保持させます。

 

下部線維の評価:

腹臥位にて肩関節120度肩甲骨面挙上位で実施します。

肩甲上腕関節は徒手的に固定します。

肩甲骨を内転・下制位に誘導し、最大内転・下制位で保持させます。

 

エクササイズ 

促通方法

側臥位で中部線維(外転90度)や下部線維(ゼロポジション)の促通を行う

方向は収縮方向に促通していく

 

関連疾患 

・翼状肩甲骨(副神経麻痺)

僧帽筋による肩甲骨の安定化が失われます。⇨肩関節外転時に著明となります。

(長胸神経麻痺による前鋸筋不全でも起こるため鑑別が必要⇨肩関節屈曲時に著明となる)

 

胸郭出口症候群牽引型

僧帽筋の中部と下部線維の筋力低下を認めることが多いです。

 

・インピンジメント症候群

僧帽筋の筋力低下を主体とした肩甲胸郭関節機能の低下を基盤としたものがあります。

 

・広背筋損傷

僧帽筋中部・下部の筋力低下が伴います。

筋力低下することで前鋸筋とのforce couple機構が破綻し、

過剰な肩甲骨の外転早期での上方回旋が生じ、広背筋最上方線維への摩擦ストレスが増大します。

 

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肩関節との関係性(肩甲骨の下方回旋)

①そもそものアライメントの確認

 肩甲骨のアライメント

 上角:th2棘突起

 下角:7~8肋骨の高さ、th8

 棘突起と内側縁の距離:おおよそ6cm(3横指)

 肩甲骨の内側が気持ち上方回旋しているのが大事

 

肩甲骨の内側縁で下部が上部よりも内側にあると、下方回旋していることとなります。

②肩甲骨が下方回旋しているとどうなるのか?

そもそも上方回旋する筋は僧帽筋下部線維(=呼び鈴運動)です。

僧帽筋下部線維が働いて棘上筋が働き骨頭が求心位となります。

 

僧帽筋下部線維が働いていないと、棘上筋が働けず、肩甲骨が下方回旋してしまいます。

肩甲骨が下方回旋していると骨頭が求心位に保たれません。

 

すると、上方の関節包が緩んでしまうので骨頭が落ちます。

落ちたものは落ちたままにはならないので、代償が効いてきます。

骨頭を上に引っ張り上げる筋肉(=上腕二頭筋)のトーンが上がります。

なので、片麻痺の患者さんはどんどん上腕二頭筋のトーンが上がっていきます。

 

なので肩甲骨の位置を上方へ誘導していくことが大事です。

 

インピンジメントはこれで起こります。

棘上筋が使えなくなるのは肩甲骨が下方回旋しているからです。

棘上筋がきかないから骨頭が上につきあがり棘上筋が挟み込まれてしまうようになります。

 

インピンジメントが進む道は

肩峰下滑液包炎や棘上筋の断裂が起こります。

 

また三角筋が硬くて上に引っ張られると、肩甲骨外転位になります。

肩甲骨を下方回旋させて戻してしまうこととなります。

 

三角筋が硬いことで内転できないことになります。

内転できないと、いつも肩甲骨を下方回旋させて上腕二頭筋のトーンをあげてしまいます。

そのため、三角筋を緩めて、内転位で挙上できることが大切です。

 

僧帽筋下部線維

scaplaplane45度上で上腕骨を外転に抵抗を与えた時、

上方回旋位で固定できないと(下方回旋してしまう)僧帽筋下部線維が効いていない印となります。

 

ちなみに棘下筋は硬くなりやすい筋肉です。

硬くなることで骨頭が前方に変位してしまいます。

硬いと水平内転したときに、肩甲骨内側縁が浮き出てしまうこととなります。

棘下筋、後方関節包が硬いと僧帽筋下部線維が働かなくなりますが、

まずは、棘下筋、後方関節包を緩めていくことが大事です。

 

レーニングする際にはローテータカフ全部をトレーニング行います。

正しいアライメントができたところでやらないとカフのトレーニングを行わないと意味がないです。

 

おまけ

1.肩甲骨はがし

肩甲骨の内側縁から指を入れていき剥がしていきます。

そのときに肩峰が動いているのを確認します。

特に特に肩鎖関節が動くのを確認します。

 

全体を見ていく順番としては、「第二肋骨⇨鎖骨⇨肩鎖関節」の順で見ていくのが良いでしょう。

 

2.運動

はじめの運動するときは、肩のscaplaplane上を動かしていく

そうすることで上腕骨頭大結節が突っかからずに通ることができます。

 

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2019年度版:リハビリ転職・開業「市場は選択肢の広がりを見せる」

2019年リハビリ転職・開業「市場は選択肢の広がりを見せる」

悩み

理学療法士作業療法士となったみなさんは悩んでいませんか?

「給料が伸びない」「勉強会がたくさんあるだけ」「後輩指導が多くて残業つかない」

「今後も給料は下がっていく?」「明るい未来はないのか?」「今あるところを変えた方がいいのか」

なんてことを最近よく聞きます。

 

若手の方はそんなに転職はしたことないかと思います。

とりあえず3-5年は働いて業務や最低限の知識を身につけなさい。なんて言われたり、

そもそも転職市場では経験年数がこれくらいはないと募集もされていなかったり。

そのためそのくらいの経験年数の方にお勧めできる範囲で転職や現在の動向をお伝えしたいと思います。

 

これを読むことで得られるメリット

・転職がわかる

・転職以外がわかる

・テクノロジーがわかる

 

これを書いている私は地域中核病院(急性期)に務める理学療法士です。

理学療法士やライティング、週末の施術を軸に日々精進しています。

そのため病院だけの視点でなく、現在のテクノロジーを生かした方法もお伝えできるかと思います。

サイトの紹介

企業に就職するとなると、履歴書に経歴を描いて面接するかと思います。

入職すればそこで必要なスキルはまず教わります。

しかし終身雇用がなくなってる今、最後まで企業に勤める生き方は考えなければいけません。

一人で稼ぐ力が必要です。

要するに技術だけではやっていけないと考えています。

 

まずは代表とされるサイトを紹介します。

マイナビコメディカル

このサイトは王道の転職サイトです。
電話やネットで無料相談申し込みをすると、

地域や条件に合わせて、個人専用のエージェントが紹介をしてくれます。

私も実際使用してみて、転職の幅の広がりを感じました。
知らない情報をたくさん教えていただけた気持ちになり満足しています。

 

転職を考えた時、「とりあえず相談」という気持ちで使ったのがマイナビでした。

PT/OT/STの転職紹介なら【マイナビコメディカル】  

介護・福祉の転職サイト『介護JJ』

リハビリ職に入ったけれども、

「仮説検証をするのってもういや!』

「できたらおじいちゃん、おばあちゃんと話すだけのことできないかな?」

という人の悩みも聞きました。

そんな人のためには、

 

全国の中から探すことができます。

特に上京して、地方に帰りたく

その職を探しているという方にはお勧めです。

介護・福祉の転職サイト『介護JJ』    

週末開業

次に一人で稼ぐ力を身につけるためには

もちろん技術は必要となりますが、営業する力も必要となります。

その一つとして「開業」があります。

 

開業はセラピストであれば一度は夢見たことかと思います。

「現実はそんなに甘くないよ」

と言われるかもしれません。

しかし成功・継続している人がいるのは確かです。

技術を高めるだけでなく、その技術を広める知識も身につけるのはとても良い方法だと考えています。

オンラインサロン

みなさんはオンラインサロンをご存知ですか?

オンラインサロンは、ネット上のコミュニティです。

facebookをはじめとしたSNSを利用し参加することができます。

 

スマホやネットが皆に普及した今だからこそできることです。

今までは、会いに行かなくては繋がりができなかったものが

今では会いに行かなくてもネット上で出会い学ぶことができます。

この素晴らしい技術を使わない他ないです。

 

使うことで今まで知り得なかった知識や技術に触れることができ

自分で選択肢の幅を広げることが可能です。

終わりに

以上3つをお伝えしました。

今までは、どこかの企業に就職し、転職する際もどこかの企業に移ることがほとんどでした。

確かに同じ職場でいるよりも他の職場を経験することで視野を広げることができます。

その点では転職はとても有意義なものとなるでしょう。

しかし現代はテクノロジーによってあらゆる選択肢が増えています。

その選択肢によってリハビリのあり方も変わってきそうです。

転職するのもよし。開業するのもよし。コミュニティ作るのもよし。

どれも間違いはありません。

自分で選択肢てより良い人生を歩みたいものです。

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