リハビリの組み立て方・時間配分方法(動画説明あり)

目次

 

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何を伝えるのか?

今回は、リハビリテーションを実施するにあたり、

時間の組み立て方・時間配分の方法をお伝えします。

外来診療や入院中の1~2単位だとすぐに時間がきてしまいます。

そんな時間が短い中でどう組み立てたら良いのかお伝えします。

 

対象

「やりたい検査や評価があるけれども時間が足りない」

「思うように成果が出ないか心配」

「時間をかけたいけど単位での時間制限がある」

「そもそも臨床の組み立て方がわからない」

「逆に4単位と時間があまりすぎて、思考停止してROMexしている」

 

など

このように「臨床の時間配分」に悩みを持った方へお伝えできたらと考えています。

 

なぜ私が伝えるのか?

理学療法士として毎日15人程度の患者さんをリハビリしています。

時間配分を間違う一人一人により良いリハビリが提供できなくなります。

そのため現在も継続して行えている時間制限ある中でのリハビリ方法・時間配分の方法をお伝えします。

 

評価さえできれば不安は解消される 

そもそも時間配分がうまく行かない方は、

「これでいいのかな?こっちもやっとこ。」

としっかりと当たりをつけれていない場合があります。

評価が行えていない状況です。

そのため、不安だから様々なリハビリを行う。

結果よくはなるけれども何がよくしたかわからないし

時間がかかりすぎてしまう。

ということになります。

しっかり評価が行えてさえいれば、不安を感じることなく

時間を間延びさせず、短時間で効果を出すことができます。

 

評価を行えることはリハビリ職では絶対必要です。

 

介入からクロージングまで

(基本的な流れを紹介いたします。)

介入とは 

まず介入とは

患者さんが来室し患者さんがいなくなるまで」を意味します。

リハビリテーション室にいる間はやはりリハビリ職の監督下であるという意識を持っていただいた方が良いでしょう。

 

流れ 

開始から終了までの一連の流れです。

流れがをしっかりと行えていると、

「結局何がしたかったのかわからない」

というようなことはありません。

 

また

リハビリにきたらまずプラットホームに寝かせる。

ROMexして、筋トレして、歩くといった

定型的なパターンのリハビリに陥ることもありません。

順をおって説明いたします。

 

基本的な流れ(1~6)

1説明 

介入前の会話です。

問診も含みますが、「今日の調子はいかがですか?」「変わりないですか?」のようにリハビリを実施する前の体調を確認する意味でも必要です。

またラポールが形成されていない場合、形成するためにも必要不可欠であるので、必ず実施するようにしてみてください。

参考にこちらもどうぞ。

 

chikugiyuki.hatenablog.jp

 

 

2現状確認

現在どのような動作をしているのか?

理学療法士であれば、今現在の一番レベルの高い動作を行なってもらった時どんな動きが出るのかをみます。

効果判定を行う上で介入前がどうであるかをみます。

現状を把握する上で大切です。

 

3現状問題点を仮説

どのような動作をしているかをみた後は、その動作からどんな問題が起こっているかを羅列します。

そこから問題点の仮説を立てていきます。

 

4検査・評価↔治療 

仮説を立てた上で、検査・評価を行なっていきます。

歩行時に股関節外転の筋出力が出ていないと考えたら、

片足立位ではどうか?

立位保持ではどうか?

起立動作ではどうか?

座位保持ではどうか?

背臥位ではどうか?

抵抗運動ではどうか?

など、どの時は出て、どの時は出ないかを明確にしていきます。

筋出力が出ていないフェーズを見つけたらどうしたら出るのか?を調べて誘導していきます。

 

5効果判定 

誘導を行なった結果、

介入前と比べてどう変化したのか?

または変化していないのか?をみていきます。

変化があればその介入は継続して行い、

次の時には別の問題点も仮説を立てていきます。

そうすることで問題点が列挙されていき、時間制限のある中で

より良い効果を得ることができます。

 

6説明

最後に現在どういう状況であるかを伝えます。

今回こういうところにアプローチしたら、介入後どうなったかを伝えます。

最初と最後でしっかりと説明を行うことで1回のリハビリ介入に締まりが出てきます。

だらけたリハビリを行わないためにも大切です。

これを怠ると、患者さんは

「リハビリはいいのか?悪いのか?」

「先生や看護師さんに行けと言われたからいく。」

というような状況に陥りやすくなります。

 

注意点

上記のように介入からの流れがあったとしても、理想の流れのように行かないのが臨床です。

突発的に病棟から連絡きたり、家族がきたり、トイレいきたいと言われたり

様々なことが起こり得ます。

そういうことが起こり得るので、準備をしておく必要があります。

 

今日やるべきことを1つにしておく。 

あれもこれもやりたいのは山々です。

時間があればやりたいです。

しかし現実は違います。

やれない時がほとんどです。

なので今日確かめたい項目・治療を患者さんに会う前に

ピックアップしておきます。

事前準備をします。

そうすることで、来た時迷う時間なく即時介入を行え

実施できれば今日は成功!余った時間で別の評価・治療を行うようにします。

 

自己でできないところを中心に組み立てる 

せっかく来ていただいているので、自主練習できないことを中心に評価・治療を行います。

できないことを行い、リハビリ以外の時間に自主練習をしてもらうようにします。

私たちがいるべき理由を改めて考えていきたいものです。

 

評価自体のバリエーションを持っていない若手は・・・。

とはいえ基本的な流れは評価方法や評価の選択肢を持っていればいるほど

精度が高く、時間効率よく行えます。

そのため若手セラピストは選択肢の幅が少ないです。

参考までに、少しだけフォーマットをお伝えします。

 

フォーマット

このフォーマット通りに行うと、的外れな治療を行うことは少ないです。

もちろん人間固有の特徴があり、「個別疾患リハビリ」が叫ばれてる現在フォーマットで行うのは正しいとは思えません。

しかし、若手や知識の少ない人にとって勉強するまでの期間「何もなしでやってください」はばらつきが大きすぎます。

なのである程度のフォーマットは必要になるかと考えています。

 

非荷重での訓練

1疾患局所

2隣の関節

体幹

例:変形性膝関節症であれば、1膝、2股関節と足関節、3体幹 

この関節をROMexや筋力強化練習します。

荷重での訓練 

1安定した動作

2挑戦する動作

例:変形性膝関節症で杖歩行見守りレベルあれば、1平行棒内歩行や歩行器歩行、2片手歩行や杖歩行 

 

基礎的な評価(学校で習うレベル)

ROM、MMT、Sensory、姿勢、動作

など学校で習った基礎的なところをしていきましょう。

ボトムアップで全部見ていった方がいいです。

目星をつけることも大切ですが、ボトムアップでやることは他の患者さんの比較する際の経験になります。

膝の疾患の方の股関節や足関節、肩関節を見ておくことは大切です。

次の機会に足の疾患の方が来た時に参考にすることができます。

 

どんな評価があるかよく知らない 

評価は定量的な評価から主観的な評価まで様々です。

人間を扱う職だからこそ、データ的に表現できない評価も多いです。

学校で習う評価は定量的な評価ばかりです。数字で表せるからこそ学校の教科書で何人もの人に伝えることができています。

入植してセラピストとしてなった時からは主観的な評価も磨いていくことが必要でしょう。

そのための必要なスキルは、解剖・生理・運動・触診です。

またトップランナーは骨関節系だけでなく、神経学的、心理学的にも着目します。

徐々にバリエーションを増やしていくと良いでしょう。

 

終わりに 

時間制限のある中でリハビリを行うためには、事前準備が必要になってくると思います。

頭の中に以上のような流れが入っていると時間を短縮することができたり、または時間を引き延ばすことも可能です。

評価を行うことに終わりはありません。

リハビリ職にとって治療技術よりしっかりと評価が行えることが大切と考えています。(評価を行うこと自体も治療につながるため)

 

明日から以上のようなことを念頭に置き、より良いリハビリを提供してみてください。

ラポール・信頼関係の作り方(学生から)

 

目次  

はじめに

理学療法士として病院働いているハムたろうです。

新卒の皆様、国家試験合格おめでとうございます。

晴れて新人セラピストとなれました。

なったはいいけど評価も治療もどうしていいかわからないという方は多いでしょう。

 

そんな時リハビリを提供するにあたり、信頼関係は前提条件として大切になってきます。

「患者さんが嫌がっている感じがする」

「新人に疲れた患者さんはなんだかかわいそう」

 

また既卒で働いている方は

「評価を行なっているけど反応があまり良くない」

「治ってきているのに満足度が低そう」

「楽しそうでない」

 

のようなことを経験したことはありませんか?

そういった場合は信頼関係が構築されていない場合があります。

 

今回は信頼関係構築のために何をしてくべきなのかをお伝えします。

お悩みの方は必ずご覧ください。

 

なぜ私が伝えるのか?

理学療法士として働き始めて、たくさんの患者さんとリハビリという形で時間を共有しました。

その中でたくさんの褒め言葉をいただきました。

少し紹介します。

 

「先生にあえてよかったよ」

「やっぱりやってもらうとその後は違うね」

「入院する前より調子いいよ」

「先生のおかげでもう少し生きる気持ちが湧いてきました」

「ありがとう」

 

数え切れません。ありがたいです。

 

技術はまだまだ未熟であるかもしれませんが、それでも満足して帰っていただけた方は多いと思っています。

 

このように、手紙や言葉をもらうのは、

期待以上の満足感を得ていただけたから

そのためにはラポール形成は絶対条件だと考えています。

 

 

具体的方法

では、具体的な方法をお伝えします。

信頼関係構築するためには、大きく分けて感情的と医療的な所に分かれると考えています。

感情的な所

笑顔

怪我や病気をしている患者さんにとってむすっとした顔でリハビリをしている人と、笑顔でしている人では後者の方が印象がいいでしょう。

印象を良くすることで、リハビリをすることが楽しいにつながっていくこともあります。

 

また笑顔で接することは、余裕がある印象を与えます。

未熟で自信がない人は自信があるように振る舞うためにも笑顔でいることは大事です。

自信がある人と自信があるように振舞っている人は患者さんにとってなかなか見分けつけられません。

そして、自信があるように振舞っていることで自信が徐々に付いてきます。

不安を与えず印象を良くし楽しいリハビリを提供するという意味で、笑顔は大切でしょう。

 

 

傾聴

よく忙しいからといって、こちらのいうことばかりを伝える医療者がいます。

業務を遂行するという点では有能なのでしょう。

しかしそれは果たして患者さんのためになっているのでしょうか?

原点に戻ると、わかると思います。

そのためにも患者さんの話は遮らない。傾聴する姿勢は大切です。

聞いてもらうだけで安心感が出てきます。

不安を誰かに伝えたいだけかもしれません。

毎日出なくても、話をよく聞くことは大切です。

(稀に多弁な方もいるのでその辺はしっかりとわけて。)

 

 

すぐには触らない

「こんにちは。よろしくお願いします。では。」

で身体に触れられたら、不快でしかないです。

「え???」

ってなります。

人にはパーソナルスペースが存在します。

近づき過ぎない距離感で、話始めることが大切です。

まずは触ることよりも問診をしっかりしましょう。

問診を終えてから、徐々に触診に移ることが大事です。

突然の人からの干渉は拒否反応が出る場合があります。

 

褒める

叱責されることよりも褒められた方が気持ちいいと思います。

リハビリテーションではこちらが求めていることができない方がたくさんいらっしゃいます。

そういう時、

「なんでやってくれないんだろう。」

「なんでわからないんだよ。もう。」

とイライラした感情が芽生えてくることがあります。

それは伝える方法が下手であったり、しっかり評価を行えていなかったりによるものですが、

そんな時患者にあたるセラピストを見かけます。

ダメです。

要求したことができないのは、こちらのミスです。伝え方が悪いのです。

悪いところばかりに目がいきがちです。

 

ほんの少しでも昨日より今日できていたことがあれば褒める。

進歩があれば褒める。

現状維持できたことに褒める。

昨日より今日の靴下が可愛いなら褒める

 

なんでもいいんです。過剰なほどに褒めるくらいが相手にしっかり伝わります。

伝わると「居心地が良い」に変わっていきます。

 

私生活が楽しいことが大事

私生活で不満が溜まっていると、やはり言動に現れます。

それを人間は察知します。なんとなくわかります。

そんな方にリハビリをしてもらいたいと思うでしょうか?

 

できるのであれば、人生楽しんでそうな人にやってもらいたいと思います。

そんな人と会話しているだけでワクワクしてきます。

リハビリが楽しいとなるかもしれません。

 

残念そうな顔しない

経験が浅い人に限ってこういうことが起こります。

自分の求めていたものよりもできなかった時

残念な顔をします。

「なんでできなかったんだろう。わたしだめかな。」

そう思ったりします。

でもそのできなかったという人は目の前にいます。

その後の人生があります。

不安を煽ってしまうようなことはやめましょう。

相互にとってメリットは何もありません。

 

 

医療的な所

希望を聞く

リハビリで何をしてもらいたいか明確にしておく必要があります。

その希望を達成することが一つの目標設定の基準になります。

希望を叶えるために、毎日のリハビリを行なっていくことが大切です。

それが患者さんのモチベーションに繋がります。

また大変なのにやらなければいけない理由にもなります。

希望を聞かずにやるリハビリはリハビリではないでしょう。

それはただの自己満足です。

 

歩ければOK!移乗できればOK!痛くなければOK!

患者さんが求めているのは違っていたりします。

痛くてもいいから動きたい人もいます。

歩けなくていいから安全に移乗したい人もいます。

 

現実と乖離している場合があり、患者の希望が目標設定の全てではありません。

しかし聞かなければ修正はできません。

 

今一度、何を求めているのか?そしてそれが医療的にも矛盾はしないのかを合わせて考えていく必要があります。

 

 

「今日何するか」「リハビリは何か」を言う

意外とやっていない人が多いのがこれです

今日の流れを説明することです。

「こんにちは。今日の体調はいかがですか?」

のような、フレーズから始まってリハビリを開始することが多いと思います。

しかし、中には「今日何するんだろう」と不安できてる方もいらっしゃいます。

そんな方に、まずは。次は。その次は。

と、いろんなことを行なっていくと一つのことに集中できなくなります。

親切ではありません。

途中の評価でやること変えることもあると思いますが、

初めの段階で大体これを確認・実施すると決まっていれば

それを伝えることが大切です。

信頼関係の構築に直結します。

 

また今日何するか?と同様に大事なことが

「リハビリはどんなことをするのか?」

を伝えることです。

怪我や病気をされた方は不安でいっぱいです。

大きな流れは医者から説明されているかもしれませんが、

細かく医療的にどう進んでいきそうかは説明されていないことがほとんどです。

 

その大枠を伝えることで、安心してもらうことができます。

今の自分自身の状態がどんな状況か知ってもらうことができます。

そこまで説明できると、「とても気遣ってくれる親切な先生」に変わってくるので信頼関係を構築しやすくなります。

 

 

即時効果が出ることを行う

医療者である以上、治療の効果を出す必要があります。

その治療効果は慢性的なものとすぐ出る即時効果があります。

リハビリは長い時間患者さんと関わります。

信頼関係ができていないと、より良い慢性的な効果は出にくくなる場合があります。

そのため、介入初めの何回かの時に即時効果で身体の変化を実感してもらうことが大切です。

即時効果を出せると「できる人」と印象つけることができます。

今後の治療介入がとてもしやすくなります。

1つ即時効果が出る何かを持っておくと信頼関係構築の便利な手段になることでしょう。

終わりに

技術がなくても、満足してもらうことは可能です。

全ての方が卓越した技術を求めているわけではありません。

楽しい時間を求めていたり。

寄り添ってくれることを求めていたり。

様々です。

だから信頼関係は必須なのです。

「人」を対象にしている職だからこそ大切になってきます。

信頼関係ができた上で治療技術が上がってくると相乗効果で大きな成果を出すことは可能です。

 

信頼関係構築は、治療の即時効果が出るものではありません。

日頃からの積み重ねが大切になってきます。

ぜひ明日から、ラポールを意識してリハビリを提供みてください。

大胸筋

機能

神経C5-T1

肩関節の屈曲・内転・内旋に作用

大胸筋は白筋線維が多い

小胸筋は大胸筋の深部に位置し、胸郭に烏口突起を引き寄せる

肩甲骨が下方回旋すると小胸筋の伸張性低下(なで肩)

 

解剖学的特徴

・鎖骨部線維

・胸肋部線維

・腹部線維

大結節綾に停止する

鎖骨部が表層となり、胸骨、腹部と停止に着くクロスした状態で付着する

 

関連疾患

・肩関節脱臼

転倒などにより外力が加わった時には、外転・外旋・水平伸展を強制された時に骨頭が前方へ押し出されてなる

随意性肩関節脱臼では、大胸筋の過剰収縮が、骨頭の前方脱臼の重要な要因

 

・肩関節拘縮

 

・腱板損傷

腱板訓練時に肩甲下筋の強化を行う際には、大胸筋の代償動作が入りやすい

ベリープレステスト

肩関節下垂位で手掌を腹部の上に当て、お腹を圧迫するよう肩関節を内旋させる。

この時圧迫できれば正常。

肩関節が伸展し相対的に外旋位に変位すると陽性。

ステップ動作を用いて立脚後期を可能にする方法(動画あり)

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ステップ動作の方法です

詳しくは「どうすればいい?ステップ動作のやり方。」でお伝えします。

 

 


皆さんは歩行をみていく時にどこからみていきますか?

浮いている時間(遊脚期)を見るよりも、支える時間(立脚期)を見ることが多いと思います。

患者さんでよくいるのが立脚後期が消失してしまっている患者さん。

それは股関節伸展できない円背姿勢であったり、麻痺で思うように動けなくなってしまったり様々な理由があると思います。

今回は立脚後期を可能とするために、どういう方法を用いていくと誘導できるのかお伝えします。

次の3部構成でお伝えします。

目次

 

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 歩行とは歩行速度が大切

そもそも歩行をよくすると何がよくなるのか?についてお話していきます。
歩行速度の改善がQOLを改善させる

・快適歩行速度を速くするためには最大歩行速度を速くする練習が必要

歩行速度を速くするためにはMAXスピードが速くなれば速くなります。そのためには練習の中でMAXスピードを出していく練習も必要です。意識せず単純に歩く練習をしている時、患者さんは必ず安定して安心して歩ける歩行速度を選択します。せっかく私たちが一緒にいるのですから、無理をさせない範囲でMAXスピードを出す練習をする必要があるでしょう。スキームを作っていくイメージです。

 

・患者の生活範囲は歩行速度(快適歩行速度)により影響される。

文献により報告されています。歩行速度が向上するとそれだけ短時間で歩ける距離が増えます。すると距離を伸ばすことができるので行動範囲が広がります。すなわち選択肢の幅を広げる事にもつながるので生活範囲が広がります。


では歩行速度を上げていくためにはどのような点に注目していくことが良いのでしょうか?

速度向上のためには推進力が必要
・麻痺足の推進力が大きいほど、歩幅の対称性が高い

歩行速度を上げていくためには推進力が必要です。脳卒中により片麻痺が残っている方がいます。麻痺足の推進力は著名に低下し左右非対称な歩行となってしまいます。麻痺足の推進力を確保できることで歩幅が左右対称に近づきます。左右対称に近づくことで歩行速度向上していきます。

・股関節伸展できることが大切(筋力だけで推進力をあげるのは大変)

推進力を上げていくためには、足関節底屈筋の力が必要です。しかし底屈筋の力を最大限に上げていくことには限界があります。そのため歩幅を確保するためにも股関節伸展を作っていくことが大切となってきます。股関節伸展するためには足関節背屈できないと、股関節伸展できません。

・麻痺足推進力と下腿三頭筋の相関は高い

しかし、麻痺足の推進力をあげることに関して、足関節底屈筋の力を出せるようにすることは文献的にも相関が高いです。この事実は次のようなことを物語っています。

片麻痺を呈した方は股関節伸展制限はない人が多いかもしれない。」


規定因子


歩行速度を決定する要素は以下のもので決定されます。

1股関節屈曲筋力 2足関節底屈筋力 3下肢感覚           この因子で最大歩行速度は85%説明がつきます。


立脚後期を可能にする


正常は?

そもそも立脚中期や立脚後期がどのような状態かみていきます。

立脚中期では

・固定された足部上を下肢・体幹が前方へ推進

・足関節底屈筋の遠心性収縮

立脚後期では

・前方への推進

・股関節、膝関節進展による体幹の前方推進


股関節伸展しないと?

股関節が伸展しないことで以下の3つが起こります。

1、ステップ長確保できない

2、前方への推進が阻害

3、遊脚のための弾性エネルギー確保困難(腸腰筋腓腹筋・ヒラメ筋) 


股関節伸展できない?何ができなくなる?

立脚後期で股関節を伸展することは重要な要素です。その股関節伸展は何ができないことで起こってしまうのでしょうか。

体幹直立位での股関節伸展ができない

股関節屈曲拘縮、股関節屈筋の過剰緊張、足関節背屈制限、腓腹筋の筋力低下(二次的制限)、股関節痛の存在などの理由があります。このようなものが存在することで体幹直立位での股関節伸展は不可能となってしまいます。

・立脚後期で股関節屈筋の完全な遠心性コントロールが臨床上極めて重要な要素(Eustace 2007

股関節の伸展ができることは股関節屈筋が引き延ばされることでもあります。十分に引き延ばされることで振り出しをスムーズにしていきます。

片麻痺では遠心性収縮できないことが共通点

歩行には数多くの遠心性収縮によりコントロールされている筋が存在します。特に腸腰筋やヒラメ筋は代表的です。これらの筋群が遠心性収縮を行えないことで、不随意的に働く歩行動作が随意的になってしまいます。

腓腹筋の収縮で重心の上方修正、滞空時間を稼ぐ

腓腹筋が立脚終期にしっかりと働くことで、重心が低下するのを防ぐことができます。収縮しないとそのまま重心は落ちることとなり、上下方向の動きが大きくなり大きなエネルギーを必要とします。位置エネルギーが大きくなるとその分運動エネルギーも必要となってきます。

 

どうすればいい?ステップ動作のやり方。

ここではステップ動作を中心にお伝えします。

 

ステップ動作のメリット

ステップ動作を行うにあたり、以下のようなメリットがあります。このようなメリットは歩行には必須となってくる要素ばかりです。ステップ台一つで大きな場所を取る必要もなく行うことができる練習方法です。

腸腰筋とヒラメ筋が遠心性収縮しやすい

・立脚後期の下肢の機能は、ステップ台に上る際の後脚の機能と同じ

・支持基底面が出来上がっている中で重心移動ができるので、歩行より制御が楽

・前脚・後脚がCKCになるから麻痺足の底屈筋群を緩めやすい 

ステップ動作の方法

ステップ台:

20cm台がベター、10cm台からでも練習可能

条件:

骨盤前傾させる

坐骨結節を持ち上げる(後脚の膝を曲げない)

①前脚の膝を屈伸する

    or

②後脚の足関節底屈させる

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ステップ以外の練習方法もご紹介

壁ドンエクササイズ・足部の柔軟性確保・踵上げ

壁ドンエクササイズ

ヒラメ筋:遠心性トレーンニング

・指先がつくくらいの壁からの距離で手首を背屈

・股関節屈曲を徹底的に排除

体幹が直立位に保ちながら行なっていく。


戻すのが難しい場合は。

・手では絶対戻さない。戻すと体幹屈曲してしまう。

・身体から戻す

・足関節底屈使ってもいい

・上に伸びるイメージで戻る。

 

足部の柔軟性確保

・足部をボールに乗せる⇨股関節伸展を入れながら行う。

片麻痺患者の足部はとても硬くなっていきます。特に下腿三頭筋以外もMP関節同士の間も硬くなっていきます。動かないことで立脚終期を作りづらくもなります。またアーチが潰れることで立脚期は安定します。その足部が潰れることができないと不安定になります。

 

踵上げ

・下腿三頭筋のトレーニング(求心性)

・下げる時には遠心性のトレーニングになり立脚後期のトレーニングにも繋がり筋力UPもできる

歩行時には遠心性の運動が必要となります。筋力がある中でコントロールが必要です。そのためには求心性で筋を出力できることが前提条件です。遠心性のトレーニングをする時には、求心性で発揮できているかも確かめる必要があるでしょう。

 

体幹を直立位に保つ

脳卒中患者は上半身重心が股関節の前方にある

脳卒中患者は過緊張であったり、コントロールできないため股関節の前方に重心が常にあります。そのため体幹を支えるために股関節伸筋を使ってしまいます。すでに使っている股関節の伸展きんをさらに伸展させることができず発揮できない状況になっています。

 

・足背屈と股関節伸展が不可欠

直立位を保つためにも立位保持した際に足関節背屈と股関節伸展ができる必要があります。これを実現させるためにステップ動作の練習が必要となります。

 

・随意的な運動は足関節底屈、膝関節伸展、股関節屈曲が組み合わさる

運動を行おうとして意識的に膝を伸ばそうとした時、足関節の底屈と股関節屈曲が組み合わさります。遠心性のコントロールができなく立脚を作れないと膝崩れを恐れこのパターンが出ることがあります。これは重心が前方にある状態であるので股関節伸展を発揮できない状況です。

 

Hip lumber complex stabilizer(腹横筋、多裂筋、腸腰筋、内閉鎖筋、骨盤底筋)

体幹を直立位に保つためには、インナーの機能や股関節の機能は当然大切です。この機能が確保されていないと股関節伸展と足関節背屈を出すことがそもそもできなくなってしまうので、機能評価を行なっていく必要があります。


以上、「ステップ動作を用いて立脚後期を可能に。(片麻痺患者に着目して)」お伝えしました。患者さんの生活範囲を広げるためにも、歩行速度が必要ですし、歩行速度をあげるためには推進力が必要。その推進力のためには体幹伸展位で股関節伸展を行えることが必要。そのためにステップ動作を用いて介入方法をお伝えしました。実際に行うと患者さんにとっては大変な練習です。しっかりコミュニケーションを取りながらぜひ明日から行なってみてください。

ヒラメ筋

解剖

脛骨神経S1~2

腓骨頭から出てくる

主に赤筋(遅筋線維)

下腿後方から静脈血の還流を助けている「第二の心臓」

 

歩行制御する感覚-運動協調

(立脚相から遊脚相への移行)

・CPG

除荷則

・足関節底屈筋(ヒラメ筋)の寄与が減少すること

股関節伸展則

・股関節が十分に伸展すること

 

関連疾患

・アキレス腱断裂

・アキレス腱周囲炎

腓腹筋肉離れ ふくらはぎのだるさ

 ・速筋線維の使いすぎ(腓腹筋

 ・重心を緩む位置に移動

大殿筋

機能

L5~S2 下殿神経

遅筋線維で主に構成されている

作用

股関節伸展・外旋

上方筋束:股関節外転

下方筋束:股関節内転

 

・腰部の安定化

  腰背腱膜の緊張を調節

・膝関節の安定化(歩行時)

  歩行時ITBを通じて、膝関節を安定させる

  TswからLR(下部)、Mst(上部)まで働く

  遊脚では減速のため遠心性収縮

  立脚では股関節伸展を維持 踵接地時に働く

体幹前方への屈曲力を制動するため

・骨盤後傾させる

 

筋膜ライン

ラテラルライン(LL)

バック・ファンクショナル・ライン(BFL)

 

働かないことでのデメリット

大臀筋の機能不全や筋力低下

・後部斜角スリングの有効性低下 

  =仙腸関節が故障しやすい状態に

・補うために反対側の広背筋を緊張 拘縮 股関節の硬さ

・回旋不足を腰椎で代償 

  =椎間関節障害、脊椎分離症 トレーニング方法

内閉鎖筋:股関節単関節筋

 

知識

神経支配:上殿神経L4~S2

上下双子筋は内閉鎖筋の一部とも考えられています。

内閉鎖筋は骨盤底筋群とつながっています。

筋の面積は6筋の中でもっとも大きいです。

単関節筋のため運動単位小さく、サイズの原理では先に働きます。(働かないと大きな筋肉で代償)

 

機能

・骨頭を求心位保持

  大腿骨頭の後方移動の制御の他に

  大腿骨頭を求心位へ保持するために非常に重要な役割を担っています。

  (運動器疾患のなぜがわかる)

  肩関節でいう腱板と同じ役割

・回転中心軸の形成(股関節安定化筋群)

  腸腰筋と協力

・大腿を外旋させる

・外転筋を発揮するためには必要

働かないことでのデメリット

・筋力低下

  股関節が不安定性になる

 

レーニング方法 

・小さな動きで股関節を内外旋させることで可能